新中国が成立後、初めて設立された私立大学の「黄河科技学院」を訪問しました。黄河科技学院
http://www.hhstu.edu.cn は、河南省の省都の鄭州市にあります。国际交流中心の李云楼主任、郭建伟副主任のご案内で学内を見学したのち、信息大楼で杨雪梅副校长を表敬訪問いたしました。

黄河科技学院は、
- 1984年10月に創立。1994年2月に高等専門学校(短期大学)。
- 2000年3月に大学設立。中国初の私立大学(第一所「民办普通本科高校」)です。
- 創立者で校長の胡大白教授(女性)は、第十届全国人大代表、第3回“中国十大女杰”に選ばれ、中国国家主席の胡锦涛にも面会しています。
- 工学部、情報工学部、医学部、ビジネス貿易学部、外国語学部、新聞メディア学部、音楽部、芸術デザイン学部、体育学部の9学部をもつ総合大学。
- 学部生14143人、短期大学生5499人、専任教員1072人。
大きな地図で見る中国では、日本の私立大学に相当するものとして、2種類の大学があります。
- 独立学院
国立大学・公立大学が教育に責任を負いながら、民間資本を導入して、設立する大学。このとき、教育に責任を負う国立大学・公立大学は、「主辦校」といいます。
- 民办大学
純粋に民間資本で設立した大学で、背後に教育に責任を負う国立大学・公立大学が存在しない場合。
中国では、民办大学は、非常に少ない。独立学院も教育の質が問われて、設置が抑制されています。黄河科技学院は、教育の質は高く、政府から高く評価されて成功している例です。
■ 黄河科技学院のWebサイトで紹介されました。
http://news.hhstu.edu.cn/list.asp?id=3842中国の大学では、学部学生1人に対して、100冊の書籍を用意しなければなりません。1万人を超える学生がいますので、図書館の蔵書は、100万冊を超えています。また、新聞や雑誌のコーナーは、日本では1階に設けている場合が多いですが、黄河科技学院では、最上階に設けています。理由は、「貸出の多い書籍は1階に、貸出の少ないものは上位の階に」という、図書館にとって非常に合理的な設計です。
図書館の玄関には、歓迎のメッセージを載せていただきました。

図書館の屋上庭園があり、開放的な環境です。

書籍が非常に充実しています。特にレフェランスは、1階分を使うほど充実しています。

芸術設計学院のビルの1階は全体は、常設の卒業制作展示場になっています。その広さに感服しました。



デザインの対象は、ポスターだけではなく、名刺、封筒、紙袋、パッケージからクッションや茶碗などの生活用品に至るまで、企業活動や生活用品など、あらゆるものがデザインの対象になっています。その発想の「自由さ」と「広がり」に感心しました。


手提げ袋など、企業が実際に使用しているものに対して、提案をしています。



具体的な企業に対して、ビジュアル・アイデンティティ(VI=Visual Identity)を提案した卒業制作。企業のロゴマーク、名刺、封筒、社内でのサイン計画など、すべてを網羅したもので、厚い冊子として、数多く制作されています。



学生は、毎週20枚のデッサンの課題を課されており、建築のデザインを提案しています。


