2009年5月5日火曜日

中国の大卒者の就職難

『日本経済新聞』(2009.5.3)の記事「中国 ニセ求人詐欺横行ー就職難の大学生狙う、軟禁や押し売りも」の中で、中国の大卒者の現状を紹介しています。

大卒者の急増
2001年時点で115万人だったが、2009年の夏には610万人。

就職難
昨年既卒者559万人のうち、100万人超がまだ就職できていない。

大学に対して就職率の達成を義務付け
中国政府は、各大学の就職率に対して、厳しい目標値を求めています。たぶん8割や9割以上です。就職率が悪い学部・学科に対して、定員の削減を命じています。各大学は、就職率の向上に必死です。大卒の就職難が社会問題化するのを防止するために、政府や各大学は、大学院への進学の窓口を広げたり、海外への留学を支援したりしております。

相互補完関係が強い日中両国
中国は、「大卒者の就職難」の問題は、そう簡単に解消することが難しいと思います。中国の各大学は、海外の大学と連携し、海外への留学、海外での就職に努めていくことが求められます。特に少子化が進んでいる日本と中国とは、相互補完関係が非常に強い。日本の大学と産業界にとって、中国からの留学生は、経営的にも欠くことができない存在になりつつあります。

2009年5月4日月曜日

孔子学院はすでに世界で314校

世界で314校の孔子学院
『日本経済新聞』2009.5.4の報道によると、中国語と中国文化の外国での普及を図る中国政府が進めている「孔子学院」 Confucius Institute は、世界81カ国で計314校が設置されています。

孔子学院は、中国政府の国策として、2004年から設置が始まった中国教育機関です。中国語学習者を一億人まで増やすことが目標です。

大学が国語教育の海外での展開で先導的な役割
孔子学院の運営費の20%~30%は、中国政府が補助します。中国の有名大学や外国との交流が盛んな外国語大学は、学術交流の一環として、海外姉妹校での「孔子学院」の設置を働きかけています。
日本では、
・ 立命館大学と北京大学
・ 桜美林大学と同済大学
・ 北陸大学と北京語言大学
・ 愛知大学と南開大学
などが設置されています。

日本政府の海外における日本語教育に対する戦略
一方、海外での日本語教育の普及に対して、日本政府の戦略や具体的な行動がなかなか見えてきておりません。

中国では600校を超える大学で日本語を教えているといわれています。日本政府がこれらの大学に対して、どのような支援や関係づくりをしているのか、大学の現場からは、ほとんど見えておりません。

日本語・日本文化の教育に対して、様々な支援が必要ではないかと思います。政府が直接に様々な施策を講じることも必要かもしれませんが、もっとも効果的なのは、中国政府が行っているように、日本の大学の国際的な展開を支援し、明確な指針を与えることが有効ではないかと思います。

■孔子学院总部/国家漢辧 http://www.linese.com/users/1